TCG総合研究所

蘆薈を中心に三人のゲーマーがCOJを主にTCGを研究する

エージェントアカデミー 色の役割

 -すべてはバランスで成り立っている。どの要素が欠けても、世界の秩序は壊されてしまう-

さて、本題に入る前に報告がある。
前回の記事においてデッキレシピが実戦に耐えないという話についてだ。
未だ挨拶はないが、当研究所は3人で運営している。そこでこの件について他の研究員(当ブログライター)と相談した。今後のデッキレシピについて(記事内で構築する題材を除く)前回とは別のエージェントと協議して提供する方針だ。
書き手の責任としてやはり押さえなければならないクオリティーがあることを肝に命じ、いわゆるテンプレートデッキとして紹介するようなレシピに関してはなるべく実戦的なデッキのレシピで紹介できるように尽力していくので、皆にもご理解、ご容赦いただきたい。

さぁ、本題に入ろう。

COJに限らずあらゆる“カードゲーム”の起源はRPGにある。
そしてRPGにおいて古くからある要素に【属性】というものがある。水は火を消し、その水は樹木の養分となり、樹木は炎によってたちどころに消し炭にされてしまう。

今回のテーマはそんな属性。
つまり【色の役割】だ。
ただし、残念ながらしばしばこの役割は適応されていないこともある。
だが、忘れてはならない。基本を熟知した上で準備に余念がなければ、まさにあり得ない事態に遭遇しようとも対応しうるということを。

・色という概念

ご存知の通りCOJには4つのカラーリングによって世界が構成されている。
各色ごとの特性をみていこう。

・赤

赤はとても攻撃的だ。彼らは血気盛んでいつでも対等だ。上下強弱関係なくいつでも喧嘩を売る権利がある。いつも目をギラつかせて攻撃する機会を待っている。彼らの攻撃は時に反射的で、手の届く全てを別け隔てなく殺傷する。自分より強い奴も、弱い奴も、敵も…そう、味方も!!
赤いカードはより素早くその場しのぎだ。そして、その瞬発力に耐えられない弱者はどんどん死んで行く。
具体的には《ブレイブドラゴン》や《べリアル》は弱者が立ちはだかることを拒み続けるし、《チェインフレイム》や《ガイア》は弱者と言うだけで味方も消し飛ばす。更には「今殴ろう、すぐ殴ろう」と前のめりな“スピードムーブ”や攻める時だけ強ければいいという“防御禁止”や《悪の覚醒》がある。
こと攻めるのなら彼らの右に出るものはないだろう。
そして、恐ろしいことに彼らの心は攻撃しか関心がないために、時に神々の威光をもってしても心理制御が利かないのだ。“無我の境地”などがそれだ

では、欠点はなにか?
単純に防御が苦手で落ち着きがなくなかなか相手のターンが終わるのが待ちきれず、早く自分のターンを迎えたくなる。
そして-これが一番大切なのだが-彼らの世界は火だ。火はそのときは凄まじいが、その先に待つのは衰退であり、“消滅”である。火力ダメージはターンを持ち越さない。《サラマンダー》も時を追う毎にしぼんで行く。
盛者必衰、諸行無常だ。


・緑

対して緑は我慢強い。
何故なら大器晩成型の彼らは“時間をかけて育つ”ことを知っているからだ。
彼らは時間の雄大さを知り、成長の尊さを知る。
そしてそれを見守ることも大切にしている。
赤とちがい瞬発力に欠け、数値こそ少ないが彼らは“基本BP”に干渉する。
そして、芽がでるまでを守る。
また、彼らは資源の重要性を理解し、資源を育む術を持つ。彼らはCPや手札と言ったリソースを豊富にするのだ。そして、敵対者にはそれを決して与えない。
《追い風》や《アルラウネ》が良い例だろう。
また、彼らは“闘争”が弱き者を傷つける忌むべき行為と知っている。なので闘争そのものを止めようと“攻撃禁止”し、本能的に自衛の大切さを理解しているので災害に備える。《逆転の大竜巻》や《不屈》がそうだろう。また、彼らは“火”によって自らが消滅する危機感を持っている。故に“秩序の盾”を身に付けたのだろう。
そして、なにより彼らは雄大な自然そのものなのだ。何人たりとも自然そのものには抗うことはできない。攻撃でも、防御でも《絶対不可侵領域》や《武器破壊》を持つ彼らをBPで突破するなど夢物語だ。彼らはそれを知っているため、その武器を活かして“貫通”攻撃をしかける。
しかし、彼らの本当の望みはその緑の伏せカードに恐れて相手が戦闘を避け、戦いが起きないことなのかもしれない。

また、彼らは自然の摂理に反する超常現象を理解することができない。そして、時が経てば成長し、衰退する…生命という檻から抜け出せない。
よって、摂理を操る神の力には抗えず、時空を制する行為にも弱い。つまりバウンスや直接除去には弱い。また、成長を逆手にとられる“レベル参照”の影響ももろに受けるのだ。
そして、実態のない“青の霊体”はまさに、脅威そのものだし、神の威光の前には平伏す他ない。
また、彼らは平和主義なので、素早く敵を“除去”することには無頓着なのも覚えておきたい。

・青

彼らは死が終わりではないことを知っている。彼らは大きなことを成すためには相応な犠牲が必要なことを知っている。
彼らは現実とは違う世界の住人ながら、とても現実主義的で物事が等価交換で成り立つ事実を知っているのだ。
自らを犠牲にして次へ繋げるその姿勢はしばしば現実世界の住人に“怨念”だとか“呪い”と表現される。
“pig能力”や、仲間の死を引き換えにした“高レベル除去”がそうだ。また、彼らは肉体が滅びない限り、魂が消えない限り、何度でも魂は肉体へと帰れることを知っている。“リバイブ”や《マジックブック》はその典型だ。その代わり、彼らの肉体は度重なる死と再生でボロボロだ。基本BPは軒並み低く、最初は高い《ロキ》などはその朽ちゆく過程を我々に示す。それゆえに彼らは基本BPに対して致命的な遅れをとりやすい。
また、魂は不滅でも、還るべき肉体が“消滅”することにはなにもできない。肉体が“火葬”されたときも、彼らは成仏を余儀なくされるだろう。
そして、彼らは闇の住人。光にはよわい。
それは、神々の纏う太陽の後光はもちろん“灯火”による明かりにも闇は退かざるを得ない。

・黄

黄色は全ての産みの親であり、あらゆる秩序を定め、模範者である。その権威は絶対であり、その存在は絶対完璧である。
あらゆるものは神から生まれ、あらゆる才能は神の力を貸し与えられたもの。
その主たる神はその全てを持っている。
唯一、“滅び”という概念を持たない神々は“不滅”を持つ必要がなかったので、これを持たない。
そんな絶対者の定めた規律の前にあらゆる者は身動きを規制され、“行動権”を縛られる。そして、場合によっては存在もゆるされず破壊、消滅させられてしまう。死を超越した亡者であっても神の威光の前に浄化、成仏させられてしまう。
また、それらの特徴から導き出されるとおり、黄色は“フィニッシャー”の宝庫である。

彼らはそんな完全体であり、完全無欠なのだ。自己完結している。そこに弱点などあるはずがない。
…当事者にとっては。

しかし、まわりにとってはちがう。
彼らは強大過ぎるのだ。我々のような貧弱なものから見たら彼らを“燃費”で考えてしまう。
資源すら無限な当事者達は考えもしないが、有限な資源でやりくりしなければいけない我々からしたら彼らの“維持コスト”は常軌を逸している。
高すぎるスペックの代償に膨大なCPを要し、小回りが利かず、全てにおいて大掛かりという印象を受けるだろう。
完璧過ぎる彼らには下々もの苦悩が理解できないことこそが、あるいは最大の欠点かもしれない。

以上で各色の考察は終了…と言いたいが、もう少しお付き合い願うことになりそうだ。
何故ならこの“色”はデッキ構築において重要だからだ。 
彼らは時として対立し、協力する。
そんな側面を次回は覗いていきたい。