TCG総合研究所

蘆薈を中心に三人のゲーマーがCOJを主にTCGを研究する

エージェントアカデミー テキストを読む

 -諦めずに最後の1秒まで考えるんだ。どこかに見落としがないか…この文章の真の意味は、あるいは俺たちが考えもつかないことかもしれない!-

コードオブジョーカーは、たびたび不親切なゲームだ。
競技色が強い割にはルールブックは存在しないし、裁定についても大半は“目に見える形”では示唆されていない。
黎明期の話にはなるが、誰が当時の“挑発リーナ”をルールとして想定出来ただろうか?
《ポメの富士》を《ハッパロイド》に一枚の《絶対不可侵領域》で倒すことができないと、誰がスポイラーリスト(発売前エキスパンションリスト)から読み取れただろうか…
《ミュウ》の効果で既に破壊が確定された《ロキ》がなぜ相手を破壊できるのか説明できるプレイヤーがどれ程いるのか…

【解説】ある同一タイミングにおける効果の処理は「アクティブプレイヤーのユニット」→「否アクティブプレイヤーのユニット」→「アクティブプレイヤーのトリガー」→「否アクティブプレイヤーのトリガー」→「アクティブプレイヤーのインターセプト」→「否アクティブプレイヤーのインターセプト」となり、かつ「登場の古い(厳密にはカードの位置)順に乗っ取って」処理されるのだが、過去には「対象が存在しなかった“過ぎ去った処理順の効果”に対象ができた場合“巻き戻ったかのように効果が発動する”裁定になっていた」のだ。
これを利用したのが“挑発リーナ”でまた、忘れてしまうと痛い目にあったのが《ポメの富士》の挙動なのだ。

「ミュウ現象」については“破壊”の処理が明確化した例でエクトプラズムに近い挙動とも言える。
「破壊確定」→破壊時処理→「捨て札へ移動」となるのだ。
これがわかっていると《ペルセポネー》の蘇生枚数なども計算できるようになる。是非覚えておきたい。
【解説終了】

これらは仕方がないとしても、テキストから読み取れる情報は膨大で、そこからいくつもの発想が皆の中に生まれる。
さぁ、そんな皆のイマジネーションを刺激して、各々独自の発想をするために、今回はテキストを読むというルールへのアプローチを考えていこう。

・テキストを読むと言うこと

テキストを読むと言うことは“ゲームのルール”を理解することに他ならない。
ルールとはルールブックにかかれていることではなく“ルールブックにかかれていること+そのなかで起こった事象とその処理”なのだ。特にCOJにおいては。

分かりやすく言えば“フィールド効果”はルールだと言うことは受け入れやすいだろう。“「スピードムーブ」があるとアタックにおけるルールが書き換えられる”のは恐らくCOJプレイヤーには見慣れた光景だろう。

このように他のカード効果も“ルール”だし、BP表記さえも“このカードのBPは“X”として扱う”という“ルール”なのだ。

・できないはできる

さて、【遊戯王】のプレイヤー達の格言に“できるはできない”というものがある。【遊戯王】の効果処理で“可能動詞は可能な範囲でしか適応できず、割り込み処理があるとタイミングを逃し使えない”“言いきりの形でかかれていたらマストでやらなければならずタイミングを逃さず、後回しにしなっても解決される”ということを説明している言葉である。

我々はそんな意味ではなく、もっと違う“できるはできない”を身につける必要がある。
ただし、私はこの言葉を少し書き換えたい。
広くTCGの世界では“できないはできる”という考え方がとても大切なのだ。

・書かれていない、重要なこと。

基本的にはルールブック及びその影響下で起きている事象において“できない”と書いてある場合、他の全てのアクションは“可能”なのである。

分かりやすく言えば“固着”を持つ相手を手札に戻すことは“できない”が破壊することは“できる”し、行動権は“奪える”どうしても太刀打ちできなければ最悪無視することすら“できる”のだ。

つまり、“できない”(あるいは“されない”)と書いてあった場合、我々は反射的に-それこそパブロフの犬のように-そのカードができる(される)ことをどれだけ見つけられるのかが重要なのだ。
これはしっかり行えばカードのプレイングの幅にはもちろん、対峙したときの対応にも応用が利くだろう。

例えば…
“不滅”が初めて登場したとき、当時の上位は《ジャンプー》や《ハデス》《毘沙門》で対処していたが、私は当時《メガジョー》に御執心で《ロック・フォール》をデッキのキーカードにしていたのでそれがそのまま対策になった。
回りのプレイヤーには“基本BP削って殺すのか”と目から鱗だったようだが…(まぁ、他のプレイヤーも考えたと思うし、事実すぐに広まったアプローチだが)こういうのも“テキスト”から読み取った“できないはできる”だろう。

・書いてある事を発展させる

コンボを産み出す時などに重要なアプローチをお伝えしよう。
例えば以下のテキストがあるとする。
【ブロッカー】(このユニットがブロックしたとき、そのターンの終了時まで、このユニットのBPを+2000する)

皆はこれを見て何を思うだろうか?
このテキストは恐らく我々のファーストインプレッションでは感じ取れないほど複雑でファンタスティックな能力だ。

まず、ひとつだけCOJの欠点を補っておこう。(とはいえ、他のゲームでもたびたび起こっているし、プレイヤーの常識でカバーされているが)このテキストにでてくる“ブロックしたとき”というのは“ブロックするたび”と置き換えるべきである。
細かいことと思うかもしれないが、今回の趣旨からするとそう言うことも考えていかざるを得ない!
とても大切な“テキストの理解”なのだ。

さて、話を戻そう。
これのテキストを読んだ多くのプレイヤーは“自身の基本BP+2000までの敵に勝てる”と読みとるだろう。もちろんそれは正しい。が、私はもっと深く考察する。
例えば、このカードにはもっと別の隠されたテキストがあるのだ!(どこかの太陽神のように)

・このユニットはレベル3であってもBPを戦闘時に回復する手段を持つ。
・このユニットは基本BPが7000のとき、BP1000のユニットとの戦闘後《ファントム》の対象になる。

例えばこんな具合だ。
まぁ、無理やりに見えるかもしれないが、私の伝えたいことはわかっていただけるだろうか。
もう1つ例として、
“相手は手札を捨てる”というテキストならすなわち
・相手のトリガーゾーンにセットし得るカードを減らす
・《サイクロプス》の行動権を復活させる
・自分のフィールドにいる《ヒュプノス》一枚につき一度、自分の捨て札から“ユニットカード”を一枚手札に加える
とも書いてあるのである。(書いてあるとはいっていない)


さて、皆はとても聡明であるからしてこれだけの情報から私の書いたことから何かを“読みとる”だろう。
それは、私が意図したことかもしれないし、意図しないことかもしれない。

さぁ、そうやってこれからもカードと、あるいはルールと立ち向かい、ぜひとも自分だけの“秘密の抜け道”を暴き出して欲しい。
主にそれは“コンボ”という形で顕在化すると思うが…

その時を私はとても楽しみにしている。