TCG総合研究所

蘆薈を中心に三人のゲーマーがCOJを主にTCGを研究する

エージェントアカデミー デッキを構築せよ

 -彼の者は礎、彼の者は魂の形、彼の者は意志…故に示せ、汝らが器たる所以を…-

さて!今日から少しの間“デッキ構築”について話していきたい。一般には構築論とは名ばかりの“調整論”がそこかしこで目につくが(ジプシーが単純に楽に勝つ方法として優秀でで誰かの雛形から使いやすく調整するというのが現状近道であり、加えてそれ以外のアプローチが自身もわからないエージェントが多いと推察する)、私のそれは“誰もがオリジナルのデッキを作るだけの知識を得る”というコンセプトだ。(現実として、それもまた“ジプシー”に活かせてしまうのだが…)

もちろん、全てのカードがデッキの核になるとは言わないが、少なくともその時組んでいるデッキが必要最低限の戦力を備えるような構築ができるようになるはずだ。(それでもダメならその時点でのそのデッキは成立しないのかもしれない)

本来ならデッキは“プレイヤーの論理の化身”であるべきで、他人のデッキを借りることはあまり好ましくはない。
この一連の記事を読み終えたあかつきには、是非とも“デッキ構築”に挑戦してみてほしい。

さぁ、ここからあなたの“本当のエージェントライフ”が始まるのだ。
準備はできたかい?
さぁ、出発だ!

・身の上を知る
さて、デッキを構築するに当たっていくつかの確認事項が必要になる。
ある程度ゲームに馴染んでいる皆からしたらどうでもよいことなのだが、始めたばかりで資産の足りない場合やそもそも無課金で頑張っている場合もあるだろう。
はっきりいってこの場合は身の丈以上の成果を求めるべきではない。大量の資金を投資したものに投資したこともないような者がそう簡単に勝てて良い道理はない。
が、身の上を知った上でそのなかでの向上心を私は歓迎する。

無課金も、微課金も手持ちで“まわるデッキが構築できる”ようになれば同格との戦いでは必ずや頭ひとつ抜けるだろう。
ただし、あくまで応用の結果でありTCGの本懐は“全てのカードを揃えてこそ”と肝に命じてほしい。

・まずは基本
さて、無課金(微課金含む)についてまずは触れたが基本はフル資産の時と変わらない。どこに縛りが発生するか?ということのみが問題だからだ。
なので一旦は理想的カードプールでの話をしていきたい。

・デッキへのファーストコミュニケーション

さて、最初のデッキへのアプローチとはなんだろう?
《無限の魔法石》を積む?確かに驚くべきことにそこから始める者もしばしばいる。しかし、そうではない。
我々が一番最初にやるべきことはモチベーションを投影することだ。(必要ならカードリストとにらめっこしながらだ)

どういうことか?
あなたがデッキを作ろうとしたときに何か動機があるはずだ。その動機を指針として明確にするのだ。
これは具体的でなくても構わない。
“《ミイラくん》が愛くるしいので自分の場を彼で埋め尽くすような動きをしたい”とは私が以前受けた依頼だったし(少しの妥協で成立した)“赤の特性が凄く好きなので赤を中心にしたデッキが組みたい”でも“種族“戦士”でデッキを組みたい”ももちろんオーケー。
“【侍】だけは絶対に倒す!”とか“《紅蓮の魔導士ヒトミ》の能力を使えば《デーメーテール》の能力を能動的に活かせるのではないか?”というものもある。
とにかく様々なアプローチがあるのだ。
これを私は【デッキコンセプト】または【デッキ理念】と呼んでいる。
さぁ、あなたの理念はどこにあるだろうか?


・道のりとゴールを考える
デッキとは一冊の本だ。
プロローグから始まり、二転三転し、クライマクスを迎え、そしてエピローグで締める。これは“むかしむかしの童話”でも“小難しい指南書”でも同じだ。(トップ→ミドル→ラストと移ろぐ香水に例えても良い)
デッキも同じだ。

具体的には“勝利の方程式”の内容を上記を踏まえてチェックしてもらえたらと思う。

話を戻そう。
これは好きな方からで構わないがデッキの中盤戦のイメージと着地点を考えてほしい。

さっきの“デッキ理念”がどちらかに当てはまるなら、残りの一方だ。そうすれば概ねデッキの輪郭は見えてくる。

勝ち方が見えているならそこに至るベストムーブ(エンジン)を考えればいいし、メインエンジンが決まっていたら、それにふさわしいフィニッシャーを用意してやればよい。
ここまででデッキやカードに触れる必要はまったくない。脳内カードプールやカードリストとにらめっこして採用しうる全てのカードを選出するだけだ。そこにデッキの40枚制限も、投入枚数も関係あるハズがない。複数のエンジンや終点を考えても良い。むしろ推奨される。

・スタートを決める
実際に構築画面に移行したい気持ちはわかるが、もう少し我慢してほしい。急いては事をなんとやらだ。
ここまでで概ねデッキカラーは決まっていると思う。
ここでは“スタートムーブ”を決めたい。
考えたエンジンがどれだけ高性能でも、完成品がどれ程精巧でも、製作環境が悪ければ、製作途中で骨組みが腐食してしまっているかもしれない。
まずは好調にスタートすることが肝要だ。基本的には“エンジン”に繋げるためのカラーで盤面を作ったり(スタートカラー理論)手札を肥やして準備をするのだ。そのためのカードを選出しよう。
ここで求められるのは“サーチャー”や“コスト比高BPのウイニー”などの場持ちのよいカードだろう。
前者なら《バンシー》《カイム》などで後者の代表は《サラマンダー》《ソードダンサー》がこれにあたる。
また、最序盤から動き始めるエンジン(または妨害)からスタートするなら“四大精霊”などからのスタートもありうる。
ついでに後攻時のスタートも決めてしまうと後が楽だ。

・エンジンを広げる
次にエンジンをより具体化しよう。エンジンの仕組みは出来ているので、そこに掛け合わせる回りを固めよう。
メインエンジンの痒いところにてが届くようなパートナーが見つかるとなお良い。
もしくは、メインエンジンが弱点を隠したり、長所を伸ばせるカードも良い。
例えば【ヒトミデーメーテール】なら《ロキ》のBPダウンを補えるし、《テューポーン》のアタックを通しやすくする。また、弱点となるレベル除去に対抗するために“pig能力”や“破壊耐性”で備えるのも良い。
そして、潤滑剤となるドローソースや戦闘補助となるパンプもデッキにあったものを選出しておこう。

・構築

さぁ、あとは個々のパーツをさらに添削して形にしよう。

慎重に各カードの枚数を定めていく。
余ったスペースがあるなら足りないものを補填すると良い。(ここで先ほどのドローソースやパンプが役に立つ)

・オリジナルボーナス
最後に余った枠とポイントを見てオリボ調整が可能かチェックしよう。
詳細は“デッキオリジナルボーナスとの付き合いかた”に詳しい。

最後にデッキを見直して、ストーリーは繋がっているか、ありがちな問題への回答はあるか、それはデッキの本筋に沿ったものかを確認しよう。

これを繰り返してデッキは出来上がる。

さて、大まかな流れはこんな感じだ。
次回はもう少しカードの枚数などの細かな話へと発展したい。